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京都地方裁判所 平成元年(行ウ)12号 判決 1992年3月23日

京都市南区西九条開ケ町二〇九番地

原告

金治正七

右訴訟代理人弁護士

高山利夫

小川達雄

京都市下京区間之町五条下ル大津町八番地

被告

下京税務署長 深田庸雄

右指定代理人

石田裕一

主文

一  原告の請求をいずれも棄却する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一当事者の求める裁判

一  原告(請求の趣旨)

1  被告が原告に対し昭和六三年三月三日付けでそれぞれした、原告の昭和五九年分の所得税の総所得金額を三八三万三、九六二円、同六〇年分の所得税の総所得金額を三八九万四、九〇〇円、同六一年分の所得税の総所得金額を三四五万一、九九六円とする各更正処分及び右各年分の過少申告加算税の賦課決定処分(以下、以上の各処分を「本件各処分」という)のうち、総所得金額につき昭和五九年分は一五四万五、八三二円、同六〇年分は一四七万〇、七五五円、同六一年分は一二九万八、四〇二円を超える部分をいずれも取消す。

2  訴訟費用は原告の負担とする。

との判決。

二  被告

主文同旨の判決。

第二当事者の主張

一  原告(請求原因)

1  原告は、溶接業を営む者であるが、昭和五九年分ないし同六一年分の所得税の確定申告、更正、異議申立、異議決定、審査請求、裁決の経緯は別表甲1のとおりである。

2  本件各処分は、以下の理由により違法である。

(一) 被告は、原告に対する税務調査において第三者の立会いを認めず、また原告の同意を得ず一方的に反面調査を行なって、本件各処分を行なった。

(二) 本件各処分のうち、原告の各申告総所得金額を超える部分は、原告の所得を過大に認定したものである。

よって、原告は被告に対し、本件各処分のうち別表甲1の各年分の確定申告欄記載の額を超える部分の取消を求める。

二  被告(認否、主張)

1  請求原因に対する認否

(一) 請求原因1の各事実を認める。

(二) 同2(一)、(二)をいずれも争う。

2  主張

(一) 第三者の立会、反面調査について

税務調査において第三者の立会を認めることは、質問検査を行なうための法律上の要件ではない。また、反面調査は、税務調査対象者の同意を得ることがその法律上の要件とされていない。

したがって、本件各処分は、税務調査において第三者の立会いを認めず、反面調査の同意を欠くとしても、違法とはならない。

(二) 推計課税の必要性について

被告は、本件係争各年分についての原告の申告にかかる所得金額が適正なものかどうかを確認するため、部下職員を原告の所得税調査にあたらせた。

右職員は、昭和六三年一月一八日から同年二月一六日までの間に、前後五回にわたり、原告方に臨場した。原告は、以下のように、終始調査に協力しなかった。

イ 右職員は、昭和六三年二月三日に原告方に臨場した。その際、原告に対し、本件係争各年分の総所得金額の算定の基礎となるべき帳簿書類等を提示するよう求めた。しかしながら、原告のその間、「調査理由が納得できないので、帳簿書類については見せない」などと申立て、帳簿書類等の提示要請に一切応じようとしなかった。

ロ 右職員は、昭和六三年一月一八日、二五日、二月八日に原告方に臨場した。いずれも原告本人不在等のため調査できなかった。そこで、原告の妻に対して、その都度原告の都合のよい日を連絡するよう要請していたが、原告側からは何の連絡もなかった。

ハ 昭和六三年二月一六日、右職員は、原告方に臨場した。原告本人が不在であった。そのため、原告の妻に対し同月一八日に再度臨場する旨告げた。翌一七日に、同女から右職員に対して、調査日を延期してほしい旨の電話があった。同女は、原告が「自分の申告は適正にしており、調査を受ける必要がなく、よって帳簿の提示の必要もないから、帳簿を提示する意思は全くない」と言っていると語った。

ニ 右職員は、右電話の際、原告の妻に対して、帳簿等を提出する意思があるのであれば今週中に連絡されたい旨原告に伝えるよう依頼した。原告からはその後何の連絡もなかった。

以上の経緯により、被告はやむを得ず、推計の方法により算出した金額に基づき本件各処分を行なったものであり、推計の必要性が存在した。

(三) 総所得金額について

(1) 事業所得金額

イ 推計の合理性

被告が原告の本件係争各年分の事業所得金額の算定に用いた同業者の選定経緯及びその推計は、次のとおり合理的である。

(イ) 大阪国税局長は、原告の事業所の所在地を所轄する被告並びにその近接地域を所轄する上京、中京、右京、東山、左京、伏見及び宇治の各税務署長に対し、本件係争各年分を通じて次の<1>ないし<9>の各条件に該当するすべての者を抽出するよう通達指示した。被告らが右抽出基準にしたがって抽出した同業者は一〇名であり、その売上金額、算出所得金額、算出所得率は別表乙2のとおりである。

<1> 青色申告により所得税の確定申告書を提出していること。

<2> 溶接業を営んでいること。

<3> <2>以外の業種目を兼業していないこと。

<4> 年間を通じて事業を継続して営んでいること。

<5> 事業所が上京、中京、下京、右京、東山、左京、伏見及び宇治税務署のいずれかの管内にあること。

<6> 売上金額が五〇〇万円以上、二、七〇〇万円未満であること。

なお、右売上金額の範囲は、本件抽出基準の設定時までに被告が把握し得た原告の本件係争各年分の売上金額を基準に、上限を昭和六一年分の約二倍、下限を同五九年分の約半分としたものである。

<7> 材料の仕入れがあること。

<8> 事業専従者が妻のみであること。

<9> 対象年分の所得税について、不服申立又は訴訟が継続中でないこと。

(ロ) 右抽出基準によって抽出された同業者は、原告と、業種、業態、事業所の所在地及び事業規模等の類似性を有し、しかも、その申告の正確性を有する青色申告者である。これに基づき算出された数値は正確である。

そして、同業者の抽出は、大阪国税局長の発した通達に基づき、右抽出基準に該当する者の全てを抽出したものである。その抽出にあたって恣意の介在する余地がない。

したがって、右により選定された同業者の算出所得率は、正確性と不偏性とが担保されている。被告がこれらを用いて原告の本件係争各年分の事業所得を推計したことは合理的である。

ロ 原告の本件係争各年分の事業所得金額の算定方法は、以下のとおりである。

(イ) 売上金額

原告の本件係争各年分の売上金額は、別表乙1の各<1>欄記載のとおりであり、その取引先別明細は、別表乙3記載のとおりである。

(ロ) 算出所得金額

いずれも前記イの各売上金額に、別表乙2記載の同業者の当該各年分の算出所得率(売上金額のうちに占める算出所得金額の割合)の平均値を乗じて、別表乙1の算出所得金額欄記載のとおり算出した。

なお、ここにいう算出所得金額とは、売上金額から必要経費(但し、特別経費である利子割引料、地代家賃、貸倒金、建物減価償却費、税理士報酬及び減価償却資産の除去損を除く)を控除した金額である。

(ハ) 特別経費 なし

(ニ) 事業専従者控除額

原告の妻金治一枝にかかる事業専従者控除額であり、その金額は別表乙1の事業専従者控除額記載のとおりである。

(ホ) 本件係争各年分の原告の事業所得金額は、算出所得金額から事業専従者控除額を控除したものであり、別表乙1の各事業所得の金額欄記載のとおりである。

(2) 給与所得の金額

別表乙1の各給与所得の金額欄記載のとおりである。

(3) 以上によれば、原告の本件係争各年分の総所得金額は、事業所得の金額と給与所得の金額を合計したものであり、別表乙1の各総所得金額欄記載のとおりである。

したがって、右各総所得金額の範囲内で被告がした本件各処分は、いずれも適法である。

三  原告(被告の主張に対する認否、反論)

1  被告の主張に対する認否

(一) 被告の主張二2(一)を争う。

(二) 同二2(二)のうち、被告が、その部下職員を本件係争各年分の原告の所得税調査にあたらせたこと、右職員が前後五回、原告方に臨場したこと、同イ、ロ、ニの各事実、及びハの事実のうち、原告の妻が電話で調査の延期を申し入れたことを認める。その余の事実を否認し、推計の必要性を争う。原告は、調査に協力する意思がなかったわけではなく、健康上の問題から、当時調査に応じられなかったにすぎない。

(三)(1) 同二2(三)(1)イを争う。

(2)イ 同二2(三)(1)(イ)の売上金額を認める。

ロ 同(ロ)の算出所得金額、(ハ)の特別経費をいずれも争う。

ハ 同(ニ)の事業専従者控除を認める。

ニ 同(ホ)の主張を争う。

(3) 同二2(三)(2)の給与所得の金額を認める。

(4) 同二2(三)(3)の主張を争う。

2  反論

(一) 推計の必要性について

原告は、本件税務調査当時、強度の神経痛のため身体に痺れがあったことから、座って話をすることも立ち話しをすることもできない状態にあった。そこで、昭和六三年二月三日、被告の部下職員が原告方に臨場した際、気候が温暖になる四月ころまで調査を延期するよう要請し、右職員は、この要請に対して格別異議を唱えず、これを了承した。被告は、四月ころになれば原告に対する質問検査を行ない得た。それにもかかわらず、同月一七日以降原告本人に対する調査を一切行なわなかった。したがって、推計の方法により課税をする必要性が存在しなかった。

(二) 推計の合理性について

原告は、本件係争各年を通じて、高齢かつ病気がちであった。そのため、事業を遂行するにあたり外注と雇人に大きく依存している。したがって、人件費及び外注費の支出が多くなっている。

しかしながら、被告主張の推計は、原告の右特殊事情を考慮していないもので、合理性がない。

四  被告(原告の反論に対する認否、反論)

1  原告の反論に対する認否

(一) 原告の反論三2(一)のうち、被告の部下職員が原告に対する税務調査を四月ころまで延期することを了承した、との事実を否認し、その余を争う。

(二) 原告の反論三2(二)を争う。

2  反論(推計の合理性について)

外注の度合い及び雇人数の多寡は、一般的に事業規模によって左右される要素である。被告が事業規模の類似性を担保するために設定した売上金額の基準(被告の主張二2(三)(1)イ(イ)<6>)による同業者の抽出は、外注の度合い、雇人数の多寡等の事業形態の類似性をも担保する。したがって、右基準により抽出された同業者の数値を基になした推計は、合理的である。

五  原告(認否)

被告の反論四2を争う。

第三証拠

証拠に関する事項は、本件記録中の書証目録及び証人等目録に記載のとおりであるから、これを引用する。

理由

一  原告の請求原因一1の各事実は、当事者間に争いがない。

二  原告の請求原因一2(一)及び被告の主張二2(一)の調査の立会、反面調査について検討する。

税務職員による質問検査については、その範囲、程度、時期、場所等実定法上特段の定めのない実施の細目については、質問検査の必要があり、かつ、右必要と相手方の私的利益との衡量において社会通念上相当な程度にとどまる限り、権限ある税務職員の合理的な選択に委ねられているものと解すべきである(最決昭和四八年七月一〇日刑集二七巻七号一二一一頁、最判昭和五八年七月一四日訟務月報三〇巻一号一五一頁参照)。そして、本件において、税務調査に第三者を立会わせなかったことが調査担当職員の裁量権の濫用であるとか、本件調査がその必要なしに、あるいは社会通念上相当でない方法で行なわれた違法があるとすべき事情は本件全証拠によっても認められない。

また、いわゆる反面調査について、納税者の同意ないし承諾を法律上の要件とする規定はなく、とくに、その同意ないし承諾を得る必要はない。質問検査の必要がある限り、前示質問検査の一つとして調査担当職員の合理的な選択の下に、反面調査をすることができる。

以上によれば、原告の請求原因一2(一)の主張は理由がない。

三  被告の主張二2(二)の推計の必要性について検討する。

1(一)  被告が、その部下職員を、本件係争各年分の原告の所得税調査にあたらせたことは、当事者間に争いがない。

右争いない事実、成立に争いがない乙第一号証、証人相楽昌昭の証言、原告本人尋問の結果(但し、措信できない部分を除く)、及び弁論の全趣旨を総合すれば、以下の各事実を認めることができる。

イ 被告の部下職員である国税調査官相楽昌昭は、原告に対する所得税調査のため、昭和六三年一月十八日、同二五日、同年二月二五日、同年二月八日及び同月一六日に、原告方に臨場した。

ロ 右のうち、一月一八日及び二五日は、原告本人が不在であり、右職員は、その都度、原告の妻に対して、都合の良い日を連絡するよう原告に伝言するよう依頼したが、何の連絡もなかった。

ハ 二月三日に、右職員が原告方に臨場したところ、第三者二名が同席していたので、右職員は、原告に対し、右第三者の退席のうえ帳簿書類を提出するよう求めた。しかし、原告は、「調査理由が納得できないので、帳簿書類については見せない」旨を述べて、確定申告書記載の所得金額の正確性を確認し得る資料を提出しなかった。

ニ 二月八日、右職員は、原告に対して帳簿書類の提出を求めたところ、原告が「少し考えてから連絡する」旨申し立てた。そこで、同月一〇日までに必ず連絡するよう原告に伝えたが、原告からは連絡がなかった。

ホ 二月一六日には、原告本人が不在であったので、右職員は原告の妻に対して同月一八日に再度臨場するので、帳簿書類を第三者の立会いがないところで提示する意思があるかどうか連絡するよう伝えた。翌一七日に原告の妻から一八日の調査の延期申し入れがあった。その際、同女は、原告が「自分の申告は適正にしており、調査を受ける必要がなく、帳簿の提示の必要もないから、帳簿を提示する意思は全くない」と言っている旨を述べた。

そこで右職員は、同女に対し、帳簿等を提示する意思があるのであれば今週中に連絡されたい旨原告に伝えるよう告げたが、その後原告からは何の連絡もなかった。

(二)  以上の各事実によれば、本件において、原告の昭和五九年分ないし同六一年分の所得税について推計課税をする必要性があったことが認められる。これに反する原告本人尋問の結果の一部は、前掲各証拠及び弁論の全趣旨に照らし遽かに措信できない。他に右認定を覆すに足る証拠がない。

2  なお、原告は、その反論三2(一)において、被告の部下職員は、昭和六三年二月三日に原告方に臨場した際、原告の要望を容れて、質問検査を同年四月ころまで延期することを了承した旨主張する。しかし、原告本人尋問の結果のうち右主張に副う部分は、あいまいかつ不自然であり、前掲証人相楽の証言、弁論の全趣旨に照らし、遽かに措信できない。他に右事実を認めるに足る的確な証拠がない。

四  推計の合理性について

1  証人小崎安高の証言、これにより真正に成立したものと認められる乙第二、第三号証各一ないし八及び弁論の全趣旨を総合すれば、以下の各事実を認めることができ、他にこの認定を覆すに足る証拠がない。

大阪国税局長は、原告の事業所の所在地を所轄する被告並びにその近接地域を所轄する上京、中京、右京、東山、左京、伏見及び宇治の各税務署長に対し、本件係争各年分を通じて、次の(一)ないし(九)の各条件に該当するすべての者を抽出するよう通達指示した。被告らが右抽出基準に従って抽出した同業者は一〇名であり、その売上金額、算出所得金額、算出所得率は、別表乙2のとおりである。

(一)  青色申告により所得税の確定申告書を提出していること。

(二)  溶接業を営んでいること。

(三)  (二)以外の業種目を兼業していないこと。

(四)  年間を通じて事業を継続して営んでいること。

(五)  事業所が上京、中京、下京、右京、東山、左京、伏見及び宇治税務署のいずれかの管内にあること。

(六)  売上金額が五〇〇万円以上、二、七〇〇万円未満であること。

なお、右売上金額の範囲は、本件抽出基準の設定時までに被告が把握し得た原告の本件係争各年分の売上金額を基準に、上限を昭和六一年分の約二倍、下限を同五九年分の約半分としたものである。

(七)  材料の仕入れがあること。

(八)  事業専従者が妻のみであること。

(九)  対象年分の所得税について、不服申立又は訴訟が継続中でないこと。

2  右認定事実によれば、右同業者の選定基準は、業種の同一性、事業場所の近接性、事業規模の類似性等を確保する基準として合理的なものであり、その抽出作業について被告あるいは大阪国税局長の恣意の介在する余地は認められない。しかも、右調査の結果得られる数値は、青色申告書に基づいたものでその申告が確定しており信頼性が高く、抽出した同業者数も一〇名であることから、各同業者の個別性を平均化するに足るものということができる。したがって、右各同業者の平均算出所得率を基礎に算出された原告の本件係争各年分の事業所得の金額の推計には、特段の事情がない限り、合理性があるものというべきである。

3  原告は、その反論三2(二)において、本件係争各年を通じて、高齢かつ病気がちな健康状態のため、外注ないし雇人に大きく依存していた。したがって外注費及び雇人費の支出が多かった旨主張する。しかし、原告本人尋問の結果のうち右主張に副う部分は、外注の割合、雇人の人数等の点で具体性を欠き、遽かに措信し難い。他に、とくに、右外注費、雇人費が推計の合理性を左右するほど大きなものであることを認めるに足る的確な証拠がない。

五  推計の方法による事業所得の金額の算出について

1  売上金額

被告の主張二2(三)(1)ロ(イ)の、原告の本件係争各年分の売上金額は、当事者間に争いがない。(別表裁1売上金額欄)。

2  算出所得金額

右認定の、本件係争各年分の売上金額に、別表乙2の同業者の本件係争各年分の平均算出所得率を乗じて得られる原告の算出所得金額は、被告の主張二2(三)(1)ロ(ロ)にいう別表乙1の算出所得金額欄記載のとおりである(別表裁1算出所得金額欄)。

3  特別経費

成立の真正につき争いがない乙第一号証及び弁論の全趣旨によれば、原告の本件係争各年分の特別経費は〇円であることが認められる。

なお、原告は、本件係争各年分について外注費及び雇人費の支出が多かった旨主張するが、前示四3のとおり、これを認めるにたる的確な証拠がない。

4  事業専従者控除額

原告の妻金治一枝にかかる事業専従者控除額であり、その金額が本件係争各年分とも四五万円であることは、当事者間に争いがない(別表裁1事業専従者控除額欄)。

5  事業所得の金額

以上によれば、原告の本件係争各年分の事業所得の金額は、算出所得金額から事業専従者控除額を差し引いた額であり、別表裁1事業所得の金額欄記載のとおりとなる。

六  給与所得の金額

原告の本件係争各年分の給与所得の金額が、被告の主張二2(三)(2)にいう別表乙一給与所得の金額欄記載のとおりであることは、当事者間に争いがない(別表裁1給与所得の金額欄)。

七  総所得金額

原告の本件係争各年分の所得税の総所得金額は、事業所得の金額と、給与所得の金額の合計であり、別表裁1総所得金額欄記載のとおりとなる。

したがって、本件各処分は、右各総所得金額の範囲内でなされた適法な処分であって、これらに違法な点はなく、請求原因一2(二)は理由がない。

八  結論

以上のとおり、原告の本件各請求はいずれも理由がないからこれを棄却する。訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条を適用する。よって主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 吉川義春 裁判官 菅英昇 裁判官 佐藤洋幸)

別表甲1

課税処分等経緯表

<省略>

別表乙1

原告の総所得金額の計算

<省略>

別表乙2

同業者の算出所得率等一覧表

<省略>

別表乙3

売上金額明細表

<省略>

別表裁1

原告の総所得金額の計算

<省略>

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